[English below]
会期:2024年10月5日(木) - 10月27日(日)
会場:BnA Alter Museum 1/2F(京都市下京区天満町267-1)
開催時間:11:00 - 26:00 (18:00以降はBarタイム/要1ドリンクオーダー/L.O. 25:30)
会期中無休/入場無料
企画:筒井一隆 / 主催:BnA Alter Museum
[同時開催]
KYOTO EXPERIMENT 2024 Meeting Point
フェスティバルと観客の交流拠点&インフォメーションセンター。マガジンやパンフレットの配布、オリジナルグッズの販売を行うほか、BnA Alter MuseumではSKFのイベントも開催。さらに、参加アーティストに関する書籍を集めたライブラリー、Barタイムにはオリジナルドリンクもお目見えします。
この度 BnA Alter Museumでは、2024年10月5日より KYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭 2024 (以下KEX)と観客の交流拠点&インフォメーションセンター「ミーティングポイント」が開設されます。これにあたり当館では、KEX会期中の連動企画として斎藤玲児、立花光、美馬摩耶の3名の作家による展覧会「断片と空白のあいだ」を開催いたします。
本年 KEXのキーワードである「えーっと えーっと」とは、断片的な記憶を手繰り寄せるその瞬間、過去/現在、他者/自分とを隔てる空白を埋めて"ことば"を紡ぐための態度・アクションが言い表されています。
そのような「えーっと」から着想を得た本展「断片と空白のあいだ」では、まずKEXにて語られる断片(的な記憶)と空白との関係について着目します。
記憶とは一見、過去の正確な記録のように見えるが、実はそうではなく、絶えず作り直されている。
また、記憶というものは空白部とも言えるオープンスペースを持ち、知らず知らずのうちにその空白を埋めていくのだと言う。
加えて、時間が流れるにつれて内面的な特質(自己の性格的特性)に注目することも知られており、時には個人的神話とも言える(だが嘘偽りという意味ではない)物語を作ることさえある。(*1)
この記憶というものの特性を踏まえれば、「断片と空白のあいだ」を移行する過程で起こる空白を埋める・再構成には、(意識/無意識 いずれにおいても)修辞的な意味をも持つと言えるでしょう。(*2−1,2)
本展覧会では、この「あいだ」にある修辞性を含有した態度・アクションとしての作品及び作品体験を通して、「あいだ」のさらに内部にある運動を観察し考察することを意図しています。
日々撮り溜められた大量の写真と動画を元に映像メディアを非意味的に繋ぎ合わし脱ナラティブ化する斎藤 玲児(さいとうれいじ)、歴史や文化と無関係な・交換可能でマッシブな場に遭遇し見ることの不気味さを模型や複製の技法を用いて表現する立花 光(たちばなひかる)、テキスタイル作品を通じて個人の歴史・アイデンティティとコミュニティーについて物語る美馬 摩耶(みままや)、以上3名の作家による作品を展示いたします。
また、これら作品に加えて、KEXにおける断片とも言える舞台芸術祭参加作家たちについてのライブラリーや、18時からのBarタイムでは小松千倫のサウンドセレクトによる会場音楽とKEXオリジナルドリンクも合わせてご鑑賞・お楽しみいただけましたら幸いです。
BnA Alter Museum 筒井一隆
(*1) 『記憶は嘘をつく』John Kotre / ここで言う "神話とは、理性だけではなく情にも訴えかけて、真実と思うものに説得力を持たせようとする物語である。"
(*2-1) 『認知修辞学の構想と射程』内海 彰・金井 明人 / ここで言う修辞とは、言語に限らず様々な形象(姿・形)による表現の仕方や技法、さらには技法の組み合わせ方を意味する。
(*2-2) 『ヘレンニウスに宛てたる修辞法』偽キケロ / ローマ共和制末期の頃には修辞学は (1)発想 (2)配置 (3)修辞(文体) (4)記憶 (5)発表の5部門に大別されていた。”創意の宝庫にして修辞学の全領域の守護者である「記憶」”
Gaps in between fragments [ Partner Program of KYOTO EXPERIMENT 2024 ]
Artists: Reiji SAITO, Hikaru TACHIBANA, Maya MIMA
Period: October 5 (Thu) - October 27 (Sun), 2024
Starting October 5, 2024, BnA Alter Museum will open the "Meeting Point," a hub for audience interaction and information center for the KYOTO EXPERIMENT: Kyoto International Performing Arts Festival 2024 (hereafter referred to as KEX). In conjunction with this, we will hold an exhibition titled "Gaps in between fragments" featuring works by artists Reiji Saito, Hikaru Tachibana, and Maya Mima during the KEX festival period.
This year's KEX keyword, “ētto ētto” (an everyday Japanese phrase meaning ‘um’ or ‘er’ in English) expresses the attitude and action of weaving "words" to fill the gaps that separate fragments of memory, bridging the past/present and others/self in that moment of recollection.
Inspired by this concept of “ētto ētto” the exhibition "Gaps in between fragments" will focus on the relationship between the fragments (of memory) discussed at KEX and the spaces in between them.
Memory may seem like an accurate record of the past, but in reality, it is constantly being reconstructed. It possesses open spaces, or gaps, which we unknowingly fill over time. Additionally, as time passes, it is known that our internal characteristics (the traits of our personality) come into focus, sometimes leading to the creation of stories that can be described as personal myths—not in the sense of falsehoods, but as narratives we build around our experiences.
Considering the characteristics of memory, we can say that the process of transitioning through "Gaps in between fragments" involves filling and reconstructing the gaps that arise, carrying rhetorical significance in both conscious and unconscious realms.
In this exhibition, we aim to observe and reflect on the movements within the "gaps" as attitudes and actions infused with rhetorical significance. Reiji Saito connects a vast collection of daily photographs and videos in a non-meaningful way, creating a de-narrativized video media experience. Hikaru Tachibana expresses the uncanny feeling of encountering a massive, interchangeable space that is unrelated to history or culture through models and replication techniques. Maya Mima narrates personal histories, identities, and community through her textile works. Together, the exhibition will showcase works by these three artists.
In addition to these works, we will have a library featuring information about the participating artists of the KEX festival, who can also be considered fragments of the event. During Bar Time starting at 6 PM, we invite you to enjoy the venue's music selected by Kazumichi Komatsu, along with original KEX drinks. We hope you will take pleasure in this experience.
The curator of this exhibition - Kazutaka Tsutsui(BnA Alter Museum)
会期:2024年10月5日(木) - 10月27日(日)
会場:BnA Alter Museum 1/2F(京都市下京区天満町267-1)
開催時間:11:00 - 26:00 (18:00以降はBarタイム/要1ドリンクオーダー/L.O. 25:30)
会期中無休/入場無料
企画:筒井一隆 / 主催:BnA Alter Museum
[同時開催]
KYOTO EXPERIMENT 2024 Meeting Point
フェスティバルと観客の交流拠点&インフォメーションセンター。マガジンやパンフレットの配布、オリジナルグッズの販売を行うほか、BnA Alter MuseumではSKFのイベントも開催。さらに、参加アーティストに関する書籍を集めたライブラリー、Barタイムにはオリジナルドリンクもお目見えします。
この度 BnA Alter Museumでは、2024年10月5日より KYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭 2024 (以下KEX)と観客の交流拠点&インフォメーションセンター「ミーティングポイント」が開設されます。これにあたり当館では、KEX会期中の連動企画として斎藤玲児、立花光、美馬摩耶の3名の作家による展覧会「断片と空白のあいだ」を開催いたします。
本年 KEXのキーワードである「えーっと えーっと」とは、断片的な記憶を手繰り寄せるその瞬間、過去/現在、他者/自分とを隔てる空白を埋めて"ことば"を紡ぐための態度・アクションが言い表されています。
そのような「えーっと」から着想を得た本展「断片と空白のあいだ」では、まずKEXにて語られる断片(的な記憶)と空白との関係について着目します。
記憶とは一見、過去の正確な記録のように見えるが、実はそうではなく、絶えず作り直されている。
また、記憶というものは空白部とも言えるオープンスペースを持ち、知らず知らずのうちにその空白を埋めていくのだと言う。
加えて、時間が流れるにつれて内面的な特質(自己の性格的特性)に注目することも知られており、時には個人的神話とも言える(だが嘘偽りという意味ではない)物語を作ることさえある。(*1)
この記憶というものの特性を踏まえれば、「断片と空白のあいだ」を移行する過程で起こる空白を埋める・再構成には、(意識/無意識 いずれにおいても)修辞的な意味をも持つと言えるでしょう。(*2−1,2)
本展覧会では、この「あいだ」にある修辞性を含有した態度・アクションとしての作品及び作品体験を通して、「あいだ」のさらに内部にある運動を観察し考察することを意図しています。
日々撮り溜められた大量の写真と動画を元に映像メディアを非意味的に繋ぎ合わし脱ナラティブ化する斎藤 玲児(さいとうれいじ)、歴史や文化と無関係な・交換可能でマッシブな場に遭遇し見ることの不気味さを模型や複製の技法を用いて表現する立花 光(たちばなひかる)、テキスタイル作品を通じて個人の歴史・アイデンティティとコミュニティーについて物語る美馬 摩耶(みままや)、以上3名の作家による作品を展示いたします。
また、これら作品に加えて、KEXにおける断片とも言える舞台芸術祭参加作家たちについてのライブラリーや、18時からのBarタイムでは小松千倫のサウンドセレクトによる会場音楽とKEXオリジナルドリンクも合わせてご鑑賞・お楽しみいただけましたら幸いです。
BnA Alter Museum 筒井一隆
(*1) 『記憶は嘘をつく』John Kotre / ここで言う "神話とは、理性だけではなく情にも訴えかけて、真実と思うものに説得力を持たせようとする物語である。"
(*2-1) 『認知修辞学の構想と射程』内海 彰・金井 明人 / ここで言う修辞とは、言語に限らず様々な形象(姿・形)による表現の仕方や技法、さらには技法の組み合わせ方を意味する。
(*2-2) 『ヘレンニウスに宛てたる修辞法』偽キケロ / ローマ共和制末期の頃には修辞学は (1)発想 (2)配置 (3)修辞(文体) (4)記憶 (5)発表の5部門に大別されていた。”創意の宝庫にして修辞学の全領域の守護者である「記憶」”